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病気・診療・検査のお話
 
過敏性腸症候群について

・ 過敏性腸症候群ってどんな病気?

 “通勤途中の電車に乗っていると、なぜかお腹が痛くなって下痢をするんです。”とか“便秘でお腹が痛むけれど、トイレに行ってもコロコロした硬い便しか出ないんです。”という方はいませんか?そういう方は過敏性腸症候群の可能性があります。実は私もそうなんです。学生の頃から、試験の前になると下痢をしたり、通学途中の電車の中で便意をもよおして、途中下車してトイレに駆け込んだりしたものです。おかげでどの駅にはどこにトイレがあるか覚えてしまいました。これは緊張や不安、ストレスなどによって腸の運動リズムが乱されて起こる病気です。ストレスの多い現代社会では、この病気に悩まされている人は増えており、成人の約1〜2割の人がかかっていると言われています。過敏性腸症候群は命にかかわる疾患ではありませんが、当人にとってみればつらくてやっかいな疾患です。

・ 過敏性腸症候群ってどうしてなるの?

  腸(小腸、大腸)は常に一定のリズムで収縮をくり返し、食べた物を肛門まで運び、その間に消化吸収を行います。しかし腸は非常にデリケートな臓器で、様々なストレスなどでそのリズムが狂ってしまいます。腸の収縮が強くなると下痢になり、弱くなると便秘になってしまいます。以前は過敏性腸炎と呼ばれたこともありますが、腸に炎症が起きているわけではなく、腸の運動の異常です。(腸の機能的異常と呼んでいます。)

・ 過敏性腸症候群ってどうやって診断するの?

 過敏性腸症候群は上で述べたように、腸の運動異常によるものなので、血液検査やレントゲン検査で診断するもではありません。いくつかの症状の組み合わせで判断します。ただ注意しなくてはいけないのは、便秘や下痢の陰に隠れて大腸がんなどの病気(器質的疾患と呼んでいます。)が潜んでいる可能性がありますので、安易に自分で判断しないで専門医に相談されることが必要です。とくに便に血が混じったり、急に体重が減ってきたり、寝ている最中でもお腹が痛くて目がさめたりといった症状がある場合は、他の病気の可能性があるので、くわしい検査が必要です。逆にこういった症状がなければ過敏性腸症候群の可能性が高いと言えます。

・ 過敏性腸症候群ってどうやって治療するの?

  過敏性腸症候群は、その人の性格や育った環境、食事内容、生活習慣、仕事の環境などさまざまな要因が影響しておこってきます。ですから簡単に薬を飲めば治るというものでもありません。 まず現在のライフスタイルの中で症状に影響すると思われるものは改善していきます。例えばアルコールや香辛料で下痢をする方はこういったものを控えるとか、便秘型の方は毎朝便意がなくてもトイレに行く習慣をつけるといったことが必要です。そしてなるべくストレスを避けること。といってもなかなか避けようと思って避けられるものではありませんよね。趣味やスポーツを活かしてストレスを発散することが大切です。それでも症状が改善しない場合は薬物治療を行います。下痢型の場合は下痢止めや腸の動きを抑える抗コリン薬、便秘型の場合は下剤や胃腸運動改善剤を使用したりします。またストレスの強い方には軽い精神安定剤や抗うつ剤を使用する場合もあります。また大腸内で水分を吸収して、便の形を整えるポリカルボフィルカルシウム(商品名コロネル、ポリフル)という薬が使用される場合もあります。これは下痢型、便秘型いずれにも効果があるとされています。

  いずれにしても一朝一夕に良くなる病気ではありません。ちょっとやっかいだけれど気長に付き合っていこうぐらいの気持ちが必要です。私の場合も“命に別状あるわけでもなし、ほかっておけばそのうち良くなるさ”という気でいたらだんだん症状がおさまってきました。お腹に神経が集中すると余計に症状がひどくなってしまいますよ。

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